365mm

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『コーヒーが冷めないうちに』#00007

「コーヒーが、冷めないうちに」

 

 





ゆっくりとコーヒーが注がれる。立ち上がる湯気が、過去へと誘う。戻れるのは、注がれたコーヒーが冷めるまでの数分間だけ。そして、過去に戻っても、起こってしまったことは変えられない。

 

2017年本屋大賞を受賞した作品が、ついに映画化。

 

本を映画化すると、原作とまるで変わってしまうことが、ままある。そして「原作の方が面白かったー」という声もちらほら。

この『コーヒーが冷めないうちに』も、原作とは違っている部分、映画オリジナルな部分がある。ネタバレになるのでここでは書かないが、あれ?  とか、急じゃない?  と突っ込みたくなる部分もあった。それでも、僕はこの映画をオススメしたい。

 

この映画から僕が受け取ったメッセージは、2つ。

 

まず、「自分にとって、大切なものは何か」ということ。

 

この映画では、恋人、姉妹、夫婦、親子の4つの人間関係を中心に描かれている。人間なら誰でも、どれかしらは持っている関係性だ。ビジネス上の付き合いとは違う、人間の根底を築く関係性。

 

ぼくはこの4つのうち、2つに泣けました。この2つは、紛れもなく、今の自分に深く関係のあるものです。

なので、この映画を観て泣ける話がこの4つにあったら、その人間関係はあなたにとって重要なものでしょう。

 

自分にとって、何が大切なのか、

この映画をきっかけに考えて観てはいかがでしょうか?

 

 

2つ目は時間の真実。

 

人は変わらない、変われない。

と、よく周りでは聞こえる。

職場でも「あいつは何度言っても変わらないからなー」とか、「何言ってもダメなんだよ」とか、聞かない日がないくらいだ。

 

この映画でも、過去は変えられない、という現実が表現されている。

何をやっても、

何度悔やんでも、

過去は変えられない。

 

何をやっても……

 

何度悔やんでも……

 

でも作者は言う。

 

「心は変われる」

と。

 

たしかに、起こってしまった過去は変えられない。

 

しかし、まだ起こっていない未来は変えられる、

あなたの心次第で、未来は変えられる、と。

 

現在は、過去の経験の積み重ねだ。今まで何を見て、何を経験してきたかが今の自分を作っている。

であれば、起こった事実は変えられなくても、過去の出来事の意味づけを変えれば、今の自分も変われる、と作者は言う。

 

過去のちょっとした出来事が、その人の価値観を決めることがある。

僕も、昔、いじめられ、寂しさを味わったことがあるが、この経験が、今、人間関係を強く意識することにつながっている。

この経験を悪く捉えれば自己否定になって、トラウマとかになってしまう。しかし、良く捉えれば、こんな経験は他の人にはさせないようにしたい、と思えるようになる。

 

人は変われる、未来も変えられる。

ただ、変えるキッカケが何かは、わからない。

 

 

ちなみに、映画を観ていて気になったのは、あの席に座っている女性の本。

何冊か出てきたけど、そこに、映画の意味や作者のメッセージを観ている人が暗に気づけるような、補助線的な役割をしているように感じた。

全部は確認できなかったが、

「ねじの回転」(ジェイムス・ヘンリー)

ねじの回転

ねじの回転

 

「モモ」(ミヒャエル・エンデ

 

モモ

モモ



はしっかり映るように撮られていたようだった。

 

ねじの回転は幽霊の話、

モモは時間の話、

どちらも映画の内容を象徴する小説です。