古く、新しい街。 今週のお題「好きな街」
今週のお題「好きな街」
いつもの地下鉄の出口に向かう。
地上へと続くエスカレーター。
出口が近くなると同時にいつもの匂いが鼻腔を満たす。
カフェのコーヒーの匂い、
オリーブオイルとニンニクを炒めた匂い、
焼肉のタレの匂い、
いろんな匂いが混ざって、この街の雰囲気づくりに一役買っている。
今日も来たんだな。
金曜日。18時34分。
19時から翌朝5時の閉店まで、夜通しのバイトが始まる。
朝9時から17時までみっちり授業を受けてきた身としては、なかなか辛いシフトだ。
とはいえ、田舎出身の僕にはとても魅力的な街だ。
普通に外国人が暮らし、店にもよく来る。
有名人も時折現れる。
朝までひっきりなしに走っているタクシー。
そして深夜でも来店するお客。
街を歩けば、創立100年みたいな老舗が何件もあり、
ご年配の方もいるので下町かと思うが、
ニューオープンで、今っぽい内装のお店、お洒落なお店がたくさん。
インスタ映えなお店も多い。
そして、フェラーリやベンツ、ロールスロイスなどの高級車が普通に走る街。
近隣を見渡せば、近代的なビルやタワーが見下ろしている。
上京してきたんだなぁ。
この雰囲気を感じると、いつもそう考えてしまう。
あれから10数年。
僕は再びこの街に戻ってきた。
今度は社会人として。
だが、この街は変わっていなかった。
近代的、現代的な面を持ちながらも、
日本人らしい下町らしさや活気。
どれも変わらずそのままだ。
外国人は相変わらず多いし、
有名人もよく歩いている。
撮影もよくある。
タクシーの数は変わらず多いし、
老舗も相変わらず元気に営業中。
何にも変わらない。
あの時のまま。
唯一変わったのは見え方だ。
この10数年で僕は社会人になり、
結婚し、子供が生まれた。
親になったことで
子連れのベビーカー、子育て中の家族をよく見かけるようになった。
この街は若い家族もおおく暮らす街なんだと、
今になって気づいた。
この街は老若男女、そして外国人にも優しい街。
下町情緒と、現代の新しい文化が入り混じった街。
古いような新しいような街。
そんなオモシロイ街である。
そう、
ここは、麻布十番。
都会の真ん中にある街だ。
暮らすのにも、
デートにも、
観光にも、
食事にも、
おススメです。
夏の納涼祭も是非。