365mm

毎日1mmでも成長し続けるためのヒントやきっかけを集めたブログです。

行動どうできない僕を変えた、後輩の一言

 

f:id:masutomo555:20180920084921j:image

 

よし、これで今月のノルマ達成だー!

 

読書記録をアプリでつけ始めて、早2年。

数値化すると人は管理したくなり、改善したくなるもので、

僕もその例に外れず毎月の読書数をノルマにしていた。

 

ネット記事のまとめなどによると、収入が高い人は、それに比例するように読書数も多いと言う。そのネット記事をいろんなところで目にしたこともあって、自分でもそれをやってみようと、始めたのがきっかけだった。

 

本を読むのは好きだし、

高収入の人がみんな本を読むのなら、収入を増やしたい自分も本を読まなくちゃ。読めば上がるんでしょ?

 

そんな淡い期待をして読書記録を始めたのだった。

 

本を読むことは楽しい。

未知の世界。

新たな知識。

想像を掻き立てられる物語。

小説や自叙伝は、読む人に、著者の人生や世界を疑似体験させ、

ビジネス書は生きる術を教え、

自己啓発書は明日を生きる力を与えてくれた。

 

本を読むごとに自分の成長を感じた。

仕事上の問題を解決できるようになったり、

家庭内のことも、ことが大きくならず解決できたり、

自分の未来に希望を持てるようになったりした。

 

読書の効果をそこそこは感じていた。

 

だが、どうにも足りない。

自分にはまだなにかが足りない。

収入が足りないというのはおろか、まだなにかが足りていないと感じていた。

まるで自分だけがトレッドミルの上で走っているような感覚。

走っても走っても周りの景色は、変わらなかった。

 

何がいけないんだろうか……

どうしたらいいんだろう……

 

そう思いながらも答えがでず、悶々とした日々を過ごしていた。

 

そんなある時、

「センパーイ、今度合コン行きましょうよー」

 

後輩、鈴木くんから合コンの誘いだった。

鈴木くんは僕の一期下の後輩。彼は社会人2年目だったが、まだ学生のノリが抜けきらない感じで、ちょっとしたムードメーカー的な存在でもあった。一言で言えば「かるい」やつ。でも病院という静粛な職場では、軽いノリは現場を明るくしていた。

 

「いやぁ、今回も俺はいいかな」

「えー!  ちょっとー!  先輩全然きてくれないじゃないですかー!  」

僕は正直なところ、合コンとかってあまり得意じゃなかった。

というか、そもそも集団での飲み会っていうのが好きじゃない。せいぜい、多くても2対2。全部で四人くらいがちょうどいい。

それに、人見知りしてしまう。

気を遣って話すこともできるけど、でもそれは大人の配慮みたいなもので、本当の会話ではない。

 

行きたくなさそうにしている僕に、鈴木くんが、さらに一言付け加えた。

 

「いつまでフェラーリしまっておくんスか?  もっとブイブイ言わせましょうよ。先輩なら絶対モテますから!!!!!   表に出さないと誰にもわかんないし、評価されないっすよ〜」



っ!!

 

……



そうか、そうだったんだ。

だから自分は成果が出てなかったんだ。

 

まさか後輩に気づかされるなんて。



今思えば自分がしていたことは、フェラーリを一生懸命磨いていただけだ。

汚れを取り、ワックスをかけ、オイルを交換して、ガソリンを入れていただけだ。

自ら運転席に座り、運転したことはなく、まして、鍵を差し込んでエンジンをかけたこともなかったのだ。

 

つまり僕は、逃げていただけ、だったのだ。



僕は怖かった。

傷つくことが、

違う自分になることが、

それを周りの人がみて評価することが。

 

その恐怖ゆえに、一歩を踏み出せなかったのだ。

 

本を読むという誰も傷つかないことばかりやっていた。

本を読んで、大量にインプットすれば、収入が上がると思い込んでいた。

 

でも現実はそうじゃないんだ。

後輩の一言はそれを気づかせてくれた。

 

『アウトプット大全』の中で、著者の樺沢紫苑氏は、

「アウトプットとインプットの黄金比は、7対3」と言っている。

 

自分にはアウトプットが足りない。圧倒的に足りない。

 

学生ノリの鈴木くんはそれを気づかせてくれたのだった。

 

トレッドミルから降りて、地面を歩こう。

地面には石もあるし、亀裂もあるし、水たまりもある。

汚れるだろうし、転ぶだろう。

事故に巻き込まれることもあるかもしれない。

 

しかし、地面を歩けば確実に景色は変わる。

一歩ずつでも、歩き続けることで景色は変わる。

 

現実を変えたい。

未来を変えたい。

人生を変えたい。

 

そんな想いがフツフツとわいてきた。



心臓がバクバクしつつも平静を装いながら、答えた。

「じゃぁ、フェラーリ、出しちゃう?  」

「そうしましょう、センパイ!  」

 

ちょっとの後悔を感じたものの、

僕は小さな一歩を踏み出せたことに、大きく満足していた。

 

小さくとも一歩を踏み出すこと。

そのアウトプットが重なり、大きな変化になっていく。

この小さな一歩を辞めず、続けていこう。

現実が変わるように、

望む人生になるように。




《終わり》

 

こちらのコラムは、天狼院書店メディアグランプリにも掲載して頂いております。

http://tenro-in.com/mediagp/59161